インボイス制度と法人成り、会社設立 or 個人事業

税理士の佐野です。
一宮市でさの会計という税理士事務所をやっております。

今回のブログも『東大卒が教える個人事業主・フリーランスの節税の新常識』
を読んで書いた内容になります。

1つ前のブログで社会保険料を考慮した法人成りシミュレーションのことを書きましたが、
消費税もとても重要な検討事項です。

個人事業から会社になったとしても、所得税・法人税・社会保険料を比較したうえで大した節税にならないと感じたことが何度もあります。
しかし、これまで法人成りの相談をしてくださったお客様の多くは法人成りしたように思います。

それはどうしてだろうと思い返してみたのですが、
やはり消費税の免税メリットが大きかったからだと思います。

所得税・法人税・社会保険のトータルで個人と法人を比べ、大して節税になっていなかったとしても、
これまででしたら、法人成りすれば原則として2年間消費税の免税事業者になれたわけです。
この効果が非常に大きく、法人成りの決め手になっていたわけです。

個人2年、法人成りして法人2年合わせて4年の消費税の免税事業者のうちに
会社を成長させるというのがこれまでの理想的なスタートアップでした。

しかし、令和5年10月1日からインボイス制度が開始されると、
法人成りのメリットがこれまでのようには得られないということになってしまいます。

法人成りはやめようということが言いたいのではなく、
逆転の発想で、
だったら最初から会社設立して起業するというのもありなんじゃないか、
というように思いました。

自分の事業を大きくしていきたいという希望で起業するのでしたら、
もう消費税の免税メリットがないのですから、
会社設立して最初から法人で事業を始めればよいかもしれないですね。
といっても、事業内容がBtoCだったら、インボイス登録しないで起業する
ことも考えられます。
事業を大きくする意思はなく、十分な生活費が稼げたら良いというような
起業であれば、インボイス登録して個人事業でスタートというパターンもあるでしょう。

その辺りのことをまとめたものが下の表になります。
事業の内容やその人の置かれている状況は千差万別ですから、
必ずこの表のようになるというものではなく、
こういう状態になることが多いのではないかという程度のものですからご注意ください。
もし何かの参考になれば幸いです。

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法人成りする人、
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・名刺、イメージ、印象が大切
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