中古車販売のような一般の人から車を買い取る業種は、インボイス制度の税金の控除は受けられる?

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インボイス制度とは

適格請求書(インボイス)を発行・保存することで、消費税の仕入額控除を受けられるようにする制度です。
この制度に対応するには、売り手側は適格請求書を発行し、買い手側は適格請求書を保存する必要があります。

インボイス制度では仕入税額控除に「適格請求書」が必要

インボイス制度(適格請求書保存方式)が始まると、
原則として適格請求書発行事業者から適格請求書を受け取った場合に限り、仕入税額控除が受けられる形式となります。
そして適格請求書を受け取らなかった場合や免税事業者等からの仕入は仕入税額控除が受けられなくなります。

一般の人から仕入れをすると適格請求書がもらえないため、税額控除を受けられない?

中古車買取販売事業など一般の人(消費者)から仕入を行う業種では、適格請求書を受け取ることが出来ません。
その場合、どうなるのでしょうか?国税庁のインボイスQ&Aを参照し、まとめてみました。

中古車販売業者が消費者から車を買った場合「帳簿を保存」するだけで控除を受けられる

中古車の買取販売業者(古物商)が、適格請求書発行事業者以外の者から中古車を買い取る場合には、
帳簿の保存のみで仕入税額控除を行うことが出来ます。
なお、相手方が適格請求書発行事業者である場合は、適格請求書の交付を受け、それを保存する必要があります。

古物台帳に取引年月日、相手方の住所・氏名・職業・年齢などが記載されていればOK

帳簿の保存とはどういうことかと言いますと…
古物営業法上では買取総額が1万円以上(税込)の場合、帳簿(古物台帳)に取引年月日やその相手方の住所・氏名・職業及び年齢などを記載する義務があります。
この古物台帳に記載する内容に加え、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められるいずれかの仕入に該当する旨の記載が会計帳簿に併せて満たされれば、仕入税額控除が受けられるということです。

要するに、中古車買取販売事業を行っている方は、記載すべき帳簿をきちんとつけていれば、
事業者ではない一般の人(消費者)から車を買い取ったときについて、これまでどおり消費税の仕入税額控除ができるということです。

オートオークションでの仕入れは、オークション業者からインボイスが発行される

オートオークション会場での仕入れについては特例(消令70条の12)により、オークション業者からインボイスが発行され仕入税額控除が可能となります。

インボイス制度に関係がない業種とは

インボイス制度は、すべての業種に適用されるわけではありません。
一般消費者向けのサービスを提供する業種や、専門的なスキルが求められる業種、免税事業者や簡易課税事業者との取引が主な業種、そして給与所得者は、インボイス制度の導入による直接的な影響を受けにくいと考えられます。

詳しくは「インボイス制度に関係ない業種はある?自分の仕事をチェックしましょう」の記事で解説しています。

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