会社設立の流れは『全8ステップ』!具体的なフローや設立前の注意点まで解説!

会社設立の流れは『全8ステップ』!具体的なフローや設立前の注意点まで解説! |

「いずれは自分の会社を持ちたい」と考えていても、そもそもどんな手順で会社を設立するのか、具体的にいくらぐらいかかるのか?が分からない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、会社設立の詳しい流れから、設立にかかる費用、設立前に考えるべき点まで分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

会社設立前に考えるべき『4つ』のこと

会社設立に向けた準備も大切ですが、まずは会社形態や資金面についてしっかり理解を深める必要があります。ここからは、会社設立で失敗しないために、はじめに考えるべきポイントについて4つご紹介していきます。

①:そもそも起業の必要があるか?

起業を考える際、まずは「企業を行う必要があるか?」を今一度考えることが重要です。

起業は自分のビジョンを実現し、高収入を得るチャンスがある一方で、リスクも伴います。成功も失敗も自己責任であり、安定した収入が保証されるわけではありません。また、すでにある会社で自分の興味に合った事業に取り組むことも可能です。

現在、会社員や学生なのであれば、自分のやりたいことができる企業があるかどうかを検討するのも一つの方法です。

このように、起業するかどうかを決める前に、自分にとって最善の道を慎重に選ぶことが必要です。

②:会社の形態はどうするか?

現在日本で設立できる会社形態は「株式会社、合同会社、合資会社、合名会社」の4種類で、これらは出資者の責任の範囲によって大きく異なります。

株式会社は最も一般的で、出資者(株主)は出資額までの責任しか負わない「有限責任」です。この形態では、経営と所有が分離されており、株主は経営に直接関与しないこともあります。

一方、持分会社(合同会社、合資会社、合名会社)では、出資者が経営にも関わるため、所有と経営が一体化しています。合同会社も有限責任ですが、合資会社や合名会社では出資者が無限責任を負う場合もあります。つまり、会社が負債を負った際には、出資者の個人資産も対象となり得るのです。

事業の性質や経営方針に合わせて、責任の範囲、経営の柔軟性、設立および維持のコストなど、様々な要素を考慮しながら会社形態を決めていきましょう。

③:どこから・誰から資金調達を行うか?

資金調達には大きく分けて「自己資本」と「他人資本」の2つがあります。

自己資本は自分の資金を使う方法、他人資本は外部からの出資や融資、公的支援などを指します。出資では、他者から資金を得て株式を交付します。融資は金融機関からの借入れ、助成金や補助金は政府など公的機関から得られる支援金です。

例えば、スタートアップのような急速に成長を目指すビジネスでは、多様な資金調達方法が求められます。株式会社の形態は、こうした資金調達に適していると言えます。

一方で、美容室や飲食店のような小規模ビジネスでは、安定した成長を目指し、自己資本のみでの運営が一般的です。スタートアップとスモールビジネスでは、資金調達の必要性や方法が異なるため、事業の性質に応じて会社設立の際の資金計画を考えることが大切です。

④:「個人事業主」として経営できないか?

事業の運営は「会社設立」がすべてではありません。

個人事業主として起業する際の主な利点は「開業手続きのシンプルさ」と「コストの低さ」です。個人事業主の場合は、税務申告が比較的簡単で、利益が少ない場合には税負担も軽くなります。また、事務作業の負担も少ないというメリットがあります。

デメリットとしては、社会的な信用度が法人に比べて低く、融資の取得が難しく、採用面でも不利になりやすいことが挙げられ、利益が多くなると税負担も重くなります。

一方で法人設立を選ぶ場合は、年間の収入見込みが500万円以上、ビジネスにおいて「株式会社」の肩書が有利に働く場合、または従業員の採用を前提に事業を拡大する計画がある場合が理想的です。

会社を設立するメリットは?

会社を設立する4つのメリット

ここからは、会社を設立するメリットについて詳しく見ていきましょう。

社会的な信用を得やすい

会社を設立する一つの大きな利点は「社会的な信用の向上」です。

法務局への法人登記には、社名や代表者名、資本金、事業目的の登録が含まれますので、この登記が完了すると、会社の情報が公開され、社会的な透明性・信頼性が高まります。

また、法人として認められることで、契約の機会が広がるといえるでしょう。また個人事業主と比べ、法人は登記の手間や情報公開の義務があるものの、その分、信用が得やすくなります。ビジネスチャンスの拡大を図るためにも、会社設立は大きなメリットといえるでしょう。

資金調達の範囲が増える

会社を立ち上げると、金融機関からの融資をはじめ、自治体の補助金・助成金、新株の発行による出資の募集など、資金調達の選択肢が広がります。特に株式会社では、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資を受けるチャンスもあり、これは返済不要な資金となるため、資金繰りにおけるリスクも軽減できます。

さらに法人としての運営は、金融機関の審査において個人事業主より有利とされます。これは、法人が月次での会計処理を行い、財務状況をリアルタイムで把握しやすく、透明性が高いためです。

責任が「有限責任」になる

責任が「有限責任」になることもメリットとして挙げられるでしょう。

これは、もし業務で大きな損失が生じても「その責任は出資額までに限られる」という意味です。例えば、多額の損害賠償や売掛金の貸し倒れが起こった場合でも、失うのは投じた資本金のみ。

一方で個人事業主の場合は無限責任を負い、万が一のケースでは個人資産さえもリスクに晒されます。事業運営に際しては、リスク管理を考慮し、万が一の事態に備えることが欠かせないポイントです。

節税にも効果的

節税という観点でも大きなメリットがあります。

例えば個人事業主は、所得に応じて「5%から45%」の所得税がかかるのに対し、資本金1億円以下の普通法人の場合、所得が800万円を超えると法人税率は「23.2%」、800万円以下だと「15%」となります。これにより、利益が増えても法人の税負担は相対的に低く抑えられるのです。

会社を設立するデメリットは?

会社設立にはもちろんデメリットも存在します。具体的な事例を見ていきましょう。

手続きや資本金準備が必要

会社を設立する際には個人事業主とは異なり、設立手続きや関連費用が多く必要となります。たとえば、会社の基本情報や定款の作成、法人登記などが求められ、定款認証や登録免許税といった費用が発生します。

株式会社では最低15万円、合同会社では6万円が必要ですし、資本金は「最低1円」からでOKですが、少なすぎるとすぐに追加資金が必要になることも。資本金は会社の信頼性を示すため、適切な額を準備することが大切です。

「社会保険加入」の義務がある

社会保険の義務加入もデメリットのひとつといえるでしょう。

これには健康保険や厚生年金保険が含まれ、会社としてはこれらの保険料の半分を負担する必要があります。また個人事業主の場合と比べると、役員報酬によってはさらに高くなることさえありますし、従業員が増えれば増えるほど、会社が支払う保険料も増加してしまいます。

収入を自由に使えなくなる(収益が区分される)

会社を設立する際、個人のお金と会社の収益をはっきり区別しなければなりません。個人事業主であれば、事業からの収入を自由に使えますが、法人ではそうはいきません。

例えば自分が経営者であっても、会社の資金を私的に使いたい場合は、会社から正式に借り入れる形式を取る必要があります。
これには、金銭消費貸借契約の締結や利息の支払いなども含まれ、法人としての資金管理は個人事業主よりも厳しくなる、これが大きなデメリットといえるでしょう。

会社設立の流れは『8ステップ』!

①:会社形態を決める

まずは会社の形態を決めていきます。先述した通り、日本で主流なのは「株式会社」と「合同会社」です。株式会社は、株式を通じて資金を集め、経営と所有が分離するのが特徴ですが、設立費用が高く、決算公告などの法的義務があります。

一方、合同会社は、出資者が直接経営に関わる新しい形態で、設立費用が低くスピーディな意思決定が可能ですが、信用力や資金調達の面で株式会社に劣る側面があります。

自分が思い描いているビジネス形態にあわせて、会社の形態も選択しましょう。

②:商号(会社名)を決める

商号は、会社を特定する際に使用される「公式な名称」のことです。商号を選定する際には、他の企業との混同を避け、また商標法に違反しないような名前を選ぶことが求められます。

会社が一度設立された後でも、商号の変更は可能ですが、その場合は改めて法的な登記を行う必要があるため、事前の準備と入念な確認が必要です。

③:事業目的を決める

会社として「取り組む事業の範囲」を具体的に決定します。この事業範囲は、会社の基本的な指針として定款に記述され、定款にない事業を行うことは通常できません。

そのため、将来に渡って拡大する可能性のある事業領域もあらかじめ含めることが大切です。

④:資本金を定める

資本金は、会社を設立する際や資金を増やすために「出資者から集められる資金」のことを指し、会社がスタートするときに必要な「運転資金の基盤」を形成します。現行の会社法では資本金の最低限額は定められておらず、理論上は1円からでも会社を立ち上げることが可能です。

ただし、資本金が少ない場合、社会的な信用度が低下するリスクがあり、ビジネスの安定的な運営が難しくなることもあります。特に開業初期では、スタートアップコストとして初期費用に加え、最初の3ヶ月分の運転資金を確保することが理想的でしょう。

⑤:運営構成(役員・監査役・株主)を決める

株式会社設立の際の重要なポイントとして、取締役の数や株主の組成についての検討が必要です。株式会社では、通常「最低でも1人の取締役、1人の監査役」を置く必要があります。この取締役は会社の運営や意思決定を行い、監査役は会社の運営が法令や定款に則って行われているかを監督します。

また、株主としては個人や法人が存在し、持ち株数に応じて会社の意思決定に影響を与える議決権を有します。

⑥:定款(ていかん)を作成する

定款とは、会社を設立する際に必要な書類です。定款は会社設立時に発起人が共同で合意して制定するもので、会社の基本的な原則を定める「会社の憲法」ともいわれる重要な書類で、会社商号や事業内容、所在地など、上記①〜⑤で解説したような会社の基本情報・規則のまとまった書類として作成を行います。

⑦:資本金を支払う

会社設立の過程においては、定款の認証後、次のステップとして資本金の支払いが重要な役割を果たします。この段階での資本金の支払いは、通常、銀行振込を通じて行われることが一般的です。

ただし、この際、銀行の振込手数料が別途発生する点に留意する必要があります。法人口座の開設がまだのため、この時の振込先は通常、会社設立の発起人である個人の口座となります。発起人とは、会社設立において資金を提供した人のことを指します。

資本金の支払いが完了したら、その後の手続きのために資本金が支払われたことを証明する書類を準備することが大切です。そのため、通帳の表紙と初めの1ページ、そして資本金の振込みが記載されたページをコピーし、保管しておくことが推奨されます。

⑧:登記申請を行う

会社設立の手続きは、まず必要な書類を揃え、法務局に登記申請を行うことから始めます。この申請には、登記申請書、収入印紙が貼られた納付用台紙、定款、発起人決定書、取締役や代表取締役の就任承諾書、取締役の印鑑登録証明書、資本金払込証明書、印鑑届出書、登記すべき事項を記載した書面やCD-Rなど、合計「10種類の文書」が必要です。

特に重要なのが印鑑届出書で、ここには法人印と個人印の両方が必要となります。そのため、印鑑を事前に準備しておくことが重要です。通常、申請後10日程度で登記が完了しますが、書類に不備がある場合は、法務局から連絡があります。

会社設立に関するよくある質問

会社設立のメリットは何ですか?

A: 会社設立の主なメリットには、責任の限定(個人財産の保護)、信用力の向上、税務上の利点、事業の拡大しやすさがあります。

会社設立に必要な資本金はどれくらいですか?

A: 日本では株式会社を設立する場合、資本金の最低限は1円から可能です。ただし、信用度や事業規模に応じて適切な額を設定することが重要です。

会社設立の手続きにはどのようなものがありますか?

会社設立には定款の認証、登記申請、税務署への届出、労働保険や健康保険への加入手続きなどが必要です。

会社設立にかかる時間はどのくらいですか?

必要書類が整っていれば、登記までのプロセスは数週間程度で完了することが一般的です。

会社設立後、最初に行うべきことは何ですか?

A: 銀行口座の開設、事業計画の策定、市場調査、必要な許可・ライセンスの取得、ネットワークの構築などが重要です。

本記事では、会社設立のメリット・デメリットから、具体的な設立までの流れについて解説しましたが、上記はあくまでもおおまかな流れですので、実際の書類作成や申請で躓かれる方も多くいらっしゃいます。

さの会計では、会社設立はもちろん、起業後の税務関連業務までワンストップでサポートしています。また会社設立登記は提携の司法書士が担当しますので、ご質問・ご不明点があればいつでも丁寧にお悩みを解決いたします。

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