中小企業の電子帳簿保存法の実務④~電子取引データの保存その2

中小企業の電子帳簿保存法の実務④~電子取引データの保存その2 |

一宮市でさの会計という税理士事務所をやっております税理士の佐野です。
いつも大変お世話になり誠にありがとうございます。

電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存制度
(メールやネットで受け取ったデータの保存の話)
について、中小企業の実務の現場からまとめてみようと思います。

請求書や領収書をメールやネットで受け取った場合、
紙に印刷しないでデータのまま保存してください。
ということなのですが、
では、どうやって保存するの?
ということになりますよね。

その保存の要件、つまりこのようにして保存してくださいというのが、
いくつかあるんですね。
それらを満たすように保存すればOKということです。

これから記載していきますが、
中小企業がこの新しい制度を実際に運用していく際には、
こうするのが簡単じゃないのかという提案的な観点でまとめていますので、
細かいことは省いていますことご注意ください。

データの保存要件は4つあるんですが、実務的には2つです。
1.真実性の確保・・・タイムスタンプか事務処理の規程
2.可視性の確保・・・ディスプレイとプリンタ(ほとんどみんな持ってる!)
3.システム概要書の備付け・・・不要(他の者が開発したプログラムを使用する場合は不要だからです)
(中小企業が自社開発のプログラムでデータを保存することはほぼないと思っております)
4.検索機能の確保・・・日付・金額・取引先、税務調査のときにはデータを提示又は提出

2と3は大半の人が元から要件を満たしているのでので、問題は1と4なんですね。

1.真実性の確保というのは、
保存してあるデータが、
本当に取引先などから受け取ったデータであるか
取引情報が改ざんされていないか
ということです。

確かにそれはもちろん大切なことだけど、どうやってやったらいいの?
となりますよね。

その方法が、
タイムスタンプ(履歴が残るシステムも可)
または
事務処理の規程
なんです。

タイプスタンプというのは、改ざんされていないことを証明する技術のことです。
その名の通り、時刻をデータに記録して、
その日その時刻にデータが存在していて、それ以降は改ざんされていませんよ
ということの証明になります。

そんなことどうやってやるの?となりますけど、
早い話、そういったサービスを利用するということです。
無料のもあれば有料のもあります。

このソフトやサービスなら大丈夫という認証制度があって、JIIMA認証といいます。
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/11.htm

ここに出てくるものを利用したら良いということですね。
ただし、このサービスを利用してデータを保存していく実務の運用が
大変ではあります。
(実務担当者の人は、この点を調べて社内の運用方法を考えなければなりません)

そんなサービスを使うことはイヤという方は、
電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程
を定め、その規程に沿ってデータの保存を行えばOKなんです。
規程のひな型は、国税庁のサイトにあります。

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm

ぶっちゃけた話、小規模な会社や電子取引データの受け取りがそれほどないのなら、
規程を使った対応で十分だと思います。

規程での運用よりJIIMA認証のサービスを使った方が楽というのであれば、
そういったサービスを利用するということになります。

1.真実性の確保の話はここまでです。

4.検索機能の確保
はこの次にまとめさせていただきます。

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