月次決算のやり方|導入の流れや注意点を解説
2024.02.08 月次決算書
目次
月次決算とは
月次決算は、毎月行われる会社の財務状況を評価する業務です。これにより、企業は毎月の売上高、営業成績、財政状態を把握し、迅速な経営判断を下すことが可能になります。
詳しくは「月次決算とは何か?について」で解説しています
月次決算の流れ
月次決算は正確性と対応スピードが重要になります。
年次決算の作業手順を踏襲しつつ、スピーディーな対応を心掛け、予め決められたスケジュールに基づき、効率的に進行させることで、適切な経営判断を支援する重要なプロセスとなります。
1.決算整理作業の実施
現金・預金の残高確認
金庫内の現金を数え、銀行で記帳して帳簿と照合します。
月次棚卸作業
棚卸資産や在庫の金額を確定。実地棚卸は省略可能です。
仮勘定の整理
仮受金や仮払金などが適切な勘定に振替されているか確認します。
経過勘定の計上
「前払費用」「前受収益」「未払費用」「未収収益」などを計上します。
減価償却費の計上
月単位で固定資産の減価償却費を計上します。
その他、引当金等の計上
必要に応じて引当金などを計上します。
2.月次決算書の作成
主要報告書
貸借対照表、損益計算書、資金繰り表、予算実績対比表、売掛金残高一覧表、買掛金残高一覧表、売上高一覧表、借入金一覧表などを作成します。
経営層の要望に応じた資料作成
事業内容や経営層の着眼点に基づいて資料をカスタマイズします。
3.経営陣への報告
報告のタイムラインの例
- 第3〜第5営業日:経理伝票の入力完了します。
- 第7営業日:決算整理仕訳の完了します。
- 第8〜10営業日前後:月次決算書の報告します。
月次決算で注意すべき点
データの正確性
財務諸表の正確性を保証するために、すべての会計処理が正確に行われることが重要です。
年次決算と比べると月次決算は修正しやすいため、経営判断の材料として、正確性よりスピード優先する会社もあります。
迅速な処理
月次決算は迅速に行う必要があります。遅延すると、経営判断の遅れにつながる可能性があります。
予算との比較
実際の成績と予算との比較を行い、予算計画の進捗状況を評価し、必要に応じて調整を行います。
これにより、予算管理の精度が向上し、将来の経営戦略の策定に役立てることができます。
経営層への報告
月次決算の結果は、経営層へ定期的に報告し、経営層は企業の現状をリアルタイムで把握することで、経営意思決定を迅速に講じることが可能になります。
継続的な改善
月次決算を通じて得られた情報を基に、経理プロセスの効率化やコスト削減の機会を見つけ、継続的な改善を図る必要があります。
月次決算の導入方法
適切な記帳ができる体制をつくる
販売、回収、仕入れ、支払い、経費、生産などの動きを適時に記帳する体制を築くことが重要です。これにより、経営状態を正確に把握できます。
会計ソフトを導入する
月次決算を自社で行うためには、会計ソフトの導入が効果的です。これにより、自社での経理処理が容易になります。仕分け作業を自動化したり、決算書の作成機能のある会計ソフトもあるので、うまく活用することで効率化が図れます。
月次決算の確定日を設定する
月次決算の確定日を決め、関係者全員で共有します。この日までに必要な作業を完了させることが重要です。
勘定科目ごとの担当者を指定する
各勘定科目の発生額や残高明細に対して担当者を指定し、効率的な業務分担を図ります。
概算計上の導入
大まかな金額での計上を行うことで、スピードを重視します。例えば、請求書の到着を待たずに概算数値で経費の未払計上を行うなどです。
原価償却費等の月次ベース計上
原価償却費や賞与引当金、租税公課、消費税、労働保険料などを月次で未払計上し、精度を向上させます。
業績改善への活用
月次決算の結果を業績改善に役立てるためには、毎月の予算と月次決算書を比較分析し、目標達成のための戦略を立てます。
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